Webサイトの課題を解決する手段の一つとして、“リニューアル”は有効と考えられます。自社サイトを根本から見直すことで、システムやデザインの刷新だけでなく運用成果の向上も期待できます。
しかし、Webサイトのリニューアルは大規模なプロジェクトであるため、正しい手順で進めなければ期待した成果につながらない可能性があります。本記事では、Webサイトリニューアルを成功させるために押さえておきたいポイントについて、分かりやすく解説します。
Webサイトのリニューアルとは
Webサイトの“リニューアル”とは、自社サイト全体の構造・システム・デザインを抜本的に見直すことです。小規模な改修ではなく、まったく新しいWebサイトに作り替えるような、大規模な作業を指します。Webサイトをリニューアルする主な目的は、一部改修では対処できない“根本的な課題”を解決することです。
Webサイトの更新や改修との違い
Webサイトのリニューアルとよく似た用語に“更新・改修”がありますが、次の点で大きく異なります。
| 更新・改修 | ページ内容の一部変更や新機能の追加でWebサイトを改善する |
|---|---|
| リニューアル | Webサイトの構造・システム・コンテンツ・デザインすべてを見直す |
Webサイトの更新・改修はいわば“部分的な改善対応”であり、それでは対処しきれない根本的な課題が生じたときに実施されるのがリニューアルです。
例えば、検索エンジンの表示順位を上げるために、各コンテンツの内容を部分的に修正するのは更新・改修に該当します。一方で、ブランディング戦略の刷新に伴い、自社サイト全体のデザインやコンテンツを変更するのはリニューアルです。
経営課題を解決するための手段となる
Webサイトのリニューアルは、主に“経営課題の解決”を目的として行われます。自社サイトを抜本的に見直すことで、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)改善につながる場合があります。
企業の経営課題の多くは、集客力やブランド力の弱さから、問い合わせ数・商談数・採用応募数などが不足することで生じます。Webサイトは顧客と企業のタッチポイントであるため、リニューアルによって商品・ブランドに対する消費者の認知度を高めるなど、経営課題の解決に寄与することが期待されます。
その結果、マーケティング・営業・採用それぞれのKPIが横断的に改善し、経営レベルの課題を解決しやすくなります。
サイトリニューアルには時間がかかる
Webサイトのリニューアルに必要な時間は、サイトの規模によって大きな違いが生じます。15ページ前後の一般的なコーポレートサイトは数か月、コラムやブログなどを含む大規模なものであれば半年以上かかるケースもあります。そのため、Webサイトをリニューアルするときは、余裕をもって計画を立てることが重要です。
Webサイトのリニューアルを検討すべきタイミング

Webサイトのリニューアルは、次のような課題が生じたタイミングで実施されるケースが多く見られます。
アクセス数や問い合わせ数が減った
Webサイトを継続的に更新しているにも関わらず、アクセス数や問い合わせ数が減るなど、成果が出なくなることがあります。
原因として多いのが、ユーザーが求める情報を十分に提供できていないことです。例えば、Webサイトのターゲット層に対し訴求したい内容が一致していない場合、ユーザーのニーズを満たすことができません。一部のコンテンツを修正するだけでは、課題の解決に至らない場合があり、Webサイト全体のリニューアルが必要になります。
また、近年のGoogle検索では、個別ページよりもWebサイト全体の品質が重視される傾向があります。Webサイトの構造やデザイン自体に問題がある場合、一部の改修のみでは評価の改善につながりにくく、リニューアルが検討されます。
Webサイトの運用効率が低下した
Webサイトの更新が滞りがちな場合は、運用効率の低下が原因の可能性があります。WordPressのようなCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)を導入していない場合、Webサイトのデザインやコンテンツを修正するたびにコーディングが必要になるため、サイト運用の工数が増大してしまいます。
更新頻度が低いWebサイトでは、ユーザーは「この会社は現在も活動しているのか」という疑念を抱き、自社に対する信頼性が低下しかねません。また、Webサイトの情報が古くなると検索エンジンの評価も低下し、サイト流入数が低下してしまいます。
Webサイトの運用効率を改善するためには、煩雑なコーディングが不要なCMSの導入が有効であり、場合によっては大規模なリニューアルが検討されます。
自社の戦略やターゲットが変わった
会社の方向性が刷新され、戦略やターゲットが変わることはよくあります。企業のWebサイトは本来、ブランドイメージや理念に沿ったものを作成すべきですが、戦略等の変更によって、Webサイトと自社の方向性にズレが生じる場合があります。
その結果「ブランドイメージが伝わらない」「自社が伝えたいものとWebサイトの情報にミスマッチが生じる」などの悪影響が生じ、戦略が十分に活かせない状況になります。Webサイトをリニューアルすることで、ブランドイメージに沿った表現が可能となり、一貫した情報をユーザーに提供できるようになります。
情報のアクセスに時間がかかる
Webサイトの運用を続けると、ページやコンテンツ数の追加にともなって情報量が増えていきますが、情報が整理されていなければユーザーにとって分かりにくいサイトになります。例えば、リンクを何度も辿らないと必要な情報にたどり着けないことは、運用期間の長くなったWebサイトではよくあるケースです。
ユーザビリティが低下したWebサイトでは、ユーザーが早期に離脱しやすく、マーケティング成果に結びつきにくくなります。そのままコンテンツの追加や小規模な改修を続けても課題の解消につながらない場合があり、Webサイトの抜本的なリニューアルが検討されます。
スマートフォンで閲覧しづらい
近年では、スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末でWebサイトを閲覧する人が増えています。総務省の発表によると、2023年時点のインターネット利用者のうち72.9%がスマートフォンを使用しており、パソコンの47.4%より大幅に多い水準です。
(※出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)
パソコンのみを対象にWebサイトをデザインしていると、モバイル端末で見たときに正しく表示されません。モバイル端末の離脱を防ぐには、デバイスに応じてレイアウトを最適化する“レスポンシブデザイン”が効果的ですが、多くの場合、Webサイト全体のリニューアルが必要となるケースもあります。
全体的なデザインが古臭くなった
Webサイトのデザインは、前述したユーザビリティはもちろん、企業やブランドの印象にも直結します。Webサイトにもデザインの“トレンド”があり、数年~5年周期で移り変わることが一般的です。しかし、トレンドを反映していないデザインのままWebサイト運営を継続していると、ユーザーは古臭さを感じてしまいます。
競合他社のWebサイトと比べて古さが目立つと、「この会社のサービスは時代遅れなのでは」といった印象を与え、不信感につながる可能性があります。こうしたビジネスチャンスの損失を防ぐためにも、定期的にWebサイトをリニューアルしてデザインを刷新する取り組みが求められます。
新しい機能を導入したい
Webサイトを運用していくなかで、ユーザビリティやデザイン性を向上させるために、新たな機能を追加することがあります。Webサイトの制作技術は進化を続けており、便利な機能が次々に登場しています。
しかし、Webサイトのシステムが古い場合は、システム要件や互換性などの理由から機能を追加できないケースが少なくありません。今後も必要に応じて機能を追加し続けて、使いやすく魅力的なWebサイトにするためには、Webサイトのリニューアルが検討されます。
Webサイトのリニューアルの手順・ステップ

Webサイトのリニューアルは、単なるデザインの変更ではなく、ビジネス課題の解決や成果向上を目的として実施されます。リニューアルを成功させて目的を達成するためには、次のようなステップで進めることが重要とされています。
ステップ1:現状の課題点を洗い出す
まずは、現状のWebサイトが抱えている課題点を洗い出します。課題分析には次のような「定量分析」「定性分析」を組み合わせます。
| 分析軸 | 具体例 | |
| 定量分析 | アクセス解析 |
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|---|---|---|
| 流入キーワード |
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|
| ページの表示速度 |
|
|
| 定性分析 | ユーザビリティ |
|
| デザインの質 |
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上記の分析軸をもとにユーザー目線でWebサイトを利用し、「使いづらい」「分かりにくい」と感じる点を洗い出すことが有効です。また、“Googleアナリティクス”や“Google Search Console”など、分析ツールでアクセス数や流入数、離脱率などを確認し、競合サイトと比較することで課題が見えてきます。社内メンバーにヒアリング・意見交換などを行うのも有効な手法の一つです。
ステップ2:リニューアル目的を明確化する
洗い出した課題点をもとにして、Webサイトをリニューアルする目的・方向性を定めます。目的が曖昧なまま進めた場合、“デザイン性は高いものの成果につながりにくいWebサイト”になるおそれがあります。例えば、次のようなリニューアル目的が一般的です。
- 問い合わせ数を増やしたい
- ECサイトの売上を伸ばしたい
- 自社サービスの魅力を伝えたい
- ブランドイメージを刷新したい
- モバイル端末対応を強化したい
- 採用応募数を増やしたい
Webサイトのリニューアルは、単なるサイト改修ではなく経営課題を解決するための取り組みです。現状のWebサイトに不足している点を整理し、Webマーケティングの方向性とリニューアル目的を一致させることが重要です。
ステップ3:KGIとKPIを設定する
Webサイトのリニューアルは大規模な作業となるケースが多く、目的の達成までに一定の時間を要する場合があります。最終的な目的を達成するために、どのような施策を実施し、どれくらいの成果が必要かを明確化しておくと、途中で方向性がズレにくくなります。
そのために、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とそれに対応するKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定することが重要とされています。具体例として次のようなKGI・KPIが考えられます。
| KGI(最終目標) |
|
|---|---|
| KPI(重要指標) |
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ただし、KGIとKPIを設定しただけで、成果を生み出すサイト構造・コンテンツ設計ができるわけではありません。
ステップ4:実現したい機能を要件定義書やRFPにまとめる
リニューアル後のWebサイトで実現したい機能を“要件定義書”として明文化しておくと、開発担当者が現状・課題・改善策を把握しやすくなり、プロジェクトをスムーズに進行できます。ただし、Webサイトリニューアルの要件定義には専門的な知識が必要になるため、実務上は、Web制作会社と共同で要件定義を行うケースが多く見られます。
その際に“RFP(Request for Proposal:提案依頼書)”を作成することが一般的です。RFPは制作会社に対して具体的な提案を求める資料であり、見積もりを依頼する際に提出します。次のような内容をRFPに盛り込むことで、回答内容から制作会社の提案内容や技量が分かるため、コンペ資料としても活用できます。
| 大まかな要望・全体像 |
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|---|---|
| 提案を依頼したい内容 |
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なお、機能要件はWebサイトのリニューアルにあたって必ず実装すべき最低限の機能で、例えば検索機能やフォームなどが該当します。非機能要件にはユーザー目線で必要と考えられる、表示速度・セキュリティ要件・運用体制・拡張性などが含まれます。
ステップ5:サイトとページの構造を設計する
Webサイトの構造は、Webサイト全体の設計図である“サイトマップ”と“ワイヤーフレーム”を作成しながら検討します。
サイトマップは、Webサイト全体を構成するページの構造をツリー形式で表現し、「どこに何があるか」を可視化するためのものです。ページ単位の設計はワイヤーフレームで行い、ロゴ・テキスト・CTA(Call To Action:行動喚起)などのレイアウトを考えます。
サイトマップとワイヤーフレームの具体的な内容は次のとおりです。
| サイトマップ |
|
|---|---|
| ワイヤーフレーム (トップページの例) |
|
Webサイトの成果は導線設計に大きく左右されます。サイトマップやワイヤーフレームを作成する際は、ユーザーが迷わず目的のページに到達できる導線を設計することが重要とされています。
ステップ6:デザインを決定する
デザインはお洒落さや美しさではなく、目的を達成するためのUI(User Interface:ユーザーインターフェイス)やUX(User Experience:顧客体験)の一環として設計します。
Webサイトのデザインで意識すべきポイントは次のとおりです。
- ブランドイメージの視覚化
- モバイルファースト
- 読みやすさ
- 操作性
- CTAへの導線
ブランドイメージの視覚化については、Webサイトを通じてユーザーにどのような印象をもってほしいかを考えることで、具体的なイメージが見えてきます。導線や操作性が分かりづらいと、ユーザーの離脱や評価低下につながるため、UI/UXを意識した設計が重要となります。実際のユーザーに使用してもらう“ユーザーテスト”を行うことで、デザインの品質がさらに向上します。
ステップ7:コンテンツを設計する
Webサイトのリニューアル後に、どのようなコンテンツを掲載すべきか検討します。情報量が多ければ良いわけではなく、ユーザーの目的に合った情報を適切に提供できるコンテンツが求められます。
例えば、自社の商材やブランドを“認知”する段階にあるユーザーと、購買のための“比較検討”をしているユーザーでは、必要な情報が大きく異なります。自社が想定するターゲット層や検討段階に合わせたコンテンツを検討することが求められます。
ステップ8:Webサイトを制作・公開する
事前の準備が整ったら、Webサイトのリニューアルに着手します。制作完了後は入念なテストを実施し、バグや問題がある場合は修正してからサイトを公開してください。
なお、Webサイト制作は“自社で内製”もしくは“Web制作会社に外注”で行えます。ただし、成果を出すためには専門知識・経験に加え、プロジェクト管理や他部門との連携が必要となるため、内製でのリニューアルはハードルが高いのが実情です。
そのため、Webサイトのリニューアルは制作会社に依頼されるケースが多く見られます。実績豊富な専門家が要件定義・デザインから制作まで行うため、成果の出るWebサイトへのリニューアルを実現できます。
Webサイトのリニューアル後に行うべきこと

Webサイトのリニューアルは、“制作・公開して完結するもの”ではありません。「お問い合わせが増えない」「検索順位が下がった」などの状態を避けるために、リニューアル公開後は以下を実践することが重要とされています。
リニューアルの告知を行う
Webサイトのリニューアル直後は、「以前とページが変わったので気付かない」「ブックマークからアクセスできない」などの理由で、ユーザーに混乱が生じる恐れがあります。そのまま放置していると、既存ユーザーのアクセス数が減少するおそれがあります。
そのため、Webサイトのリニューアル公開後はできるだけ早いタイミングで、SNSやプレスリリースなどを通じて告知することが有効です。既存ユーザーへの周知とともに、新規ユーザーの関心も高められます。その結果、Webサイトの閲覧数の増加や、ドメイン評価の向上を通じて、検索順位の改善が期待されます。
SEOへの悪影響がないか測定する
Webサイトのリニューアルには、“SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)への悪影響”というリスクが伴います。次のようなポイントは、検索順位に与える影響が大きいため、注意が必要です。
- URL変更
- 内部リンク再編
- 見出し構造変更
- ページ削除
- 画像の高画質化
リニューアルから1か月程度は、上位キーワードの順位変動やセッション数など、各指標を注意深く確認することが求められます。最初に課題点を洗い出したときと同様に、“Googleアナリティクス”や“Google Search Console”などの分析ツールで確認できます。
また、Webサイトの表示速度もSEO評価に重要なポイントです。リニューアル時に高解像度の画像やアニメーションを多用すると、表示速度が低下しやすくなります。URL変更に伴うリダイレクト漏れも、Webサイトのリニューアル時に生じやすい課題の一つであり、注意が必要です。
継続的な運用と改善を行う
Webサイトのリニューアルはゴールではなく、“新たなスタート”にすぎません。継続的な運用と改善こそ、Webサイトの成果向上と経営課題の解決を実現するカギとなります。特に以下のポイントは、リニューアル後も定期的な改善を意識してみてください。
| コンテンツの追加 | 流入数やCVが多いキーワードで記事を追加する |
|---|---|
| UI/UXの改善 | 離脱が発生しているポイントを優先的に改善する |
| KGI・KPIのレビュー | 月次もしくは四半期ごとに確認して改善施策を更新する |
Webサイトのリニューアルで、すべての課題を一気に解決できるわけではありません。事前に設定したKPIを達成できているか測定し、必要に応じて微修正を繰り返しながら、少しずつ目的の達成に近づけるため、継続的に改善を行うことが重要とされています。
Webサイトのリニューアルを成功させるポイント
Webサイトをリニューアルしたものの、“期待した成果が得られない”というケースは少なくありません。次のポイントを意識することで、成果の出るWebサイトを実現しやすくなります。
課題解決につながる目的を設定する
Webサイトのリニューアルを成功させるうえで、課題解決につながる具体的な目的を設定することが重要とされています。例えば「何となくデザインを変えたいから」「競合もリニューアルしたから」など、曖昧な理由では改善すべき点が明確にならず、成果につながりにくくなります。
リニューアルの目的は課題から逆算したうえで、下記の“SMARTの原則”を意識して決めることが大切です。例えば、お問い合わせ率が低い場合は、フォーム改善・CTA見直し・導線設計の最適化などが目的になります。そのうえで、資料請求のCVRを3か月間で10%改善するなど、より精度の高いKGIに落とし込むことが望まれます。
- Specific (具体的)
- Measurable (測定可能)
- Achievable (達成可能)
- Relevant (関連性)
- Time-bound (期限付き)
デザインだけのリニューアルを避ける
デザインはWebサイトリニューアルの大切な要素ですが、あくまでUX(顧客体験)を向上させる手段であり、目的ではない点に留意する必要があります。デザインを変えるだけでは単なるサイト改修となり、次のような課題を解決できないため、成果に繋がりにくい懸念があります。
- 導線設計が不適切
- コンテンツの質と量が不十分
- 検索意図を満たせていない
- ページ構造が煩雑
- 表示速度やSEOの課題
また、最新のデザイントレンドを意識するだけではなく、あくまで自社のブランドイメージに沿ったデザインであることが大前提です。Webサイトのデザインは、ブランディング・UI/UX・情報設計・SEO対策・コンテンツの5点を一体として検討することが重要とされています。
ユーザー目線に立った設計を心掛ける
Webサイトを実際に利用するのはユーザーであり、自社の担当者ではありません。自社の都合を優先した設計では、ユーザーが離脱しやすくなる傾向があります。
そもそも“ユーザー目線”とは、次の要素を満たしていることが一つの目安となります。
- 次に見たい情報がすぐに見つかる
- 情報が整理されていて理解しやすい
- 無駄な操作をせずに目的を達成できる
例えば、採用応募数を増やすためにWebサイトをリニューアルする場合は、求職者が知りたい仕事内容・給与額・職場の雰囲気などを優先的に配置する必要があります。ユーザー調査やGoogleアナリティクスの“行動フロー”などのデータを活用すると、客観的なサイト設計が行いやすくなります。
SEO対策やリダイレクトを適切に行う
Webサイトのリニューアルで特に注意すべき問題がSEOパフォーマンスの低下です。例えば、次のようなパターンではリニューアル後にアクセス数が大きく減少するおそれがあるため、Web制作会社と連携しながら適切に設計することが求められます。
- URL変更後にリダイレクトしていない
- 内部リンクの構造が崩れている
- ページタイトルやH1タグを安易に変更する
特にリダイレクトを見落としてしまうケースが多いため、リニューアルでURLを変更した場合は、旧URLから新URLへの“301リダイレクト”を適切に設定することが重要です。リニューアル前のSEO評価を引き継ぎ、検索流入数の多いページを活かして成果の向上が期待されます。
自社ならではのコンテンツを意識する
Googleなどの検索エンジンが重視するのは、オリジナリティと専門性の高いコンテンツです。競合にはない“自社独自の強み”が伝わるコンテンツを掲載できれば、SEO効果を高めながら自社やブランドの魅力をユーザーに伝えやすくなります。
他社のWebサイトにも記載されているような内容では、ユーザーの心に響きません。自社の商品・サービスを選ぶべき理由を明確に説明できるコンテンツが、Webサイトのリニューアル効果に大きな影響を与えます。例えば、自社のブランド価値・思想などのストーリーや、導入事例・実績・専門家コラムなどは独自性を高めやすいコンテンツの代表例です。
Webサイトのリニューアル時に導入したい施策や機能

Webサイトのリニューアル時に次のような施策や機能を取り入れることで、自社の情報を、より正確にユーザーへ伝えやすくなります。
動画コンテンツの制作
自社商材やブランドの魅力をアピールする手段として、動画コンテンツの重要性が高まっています。動画は文字や画像に比べて情報量が多く、直感的に情報を伝えやすい特長があります。次のような動画は、Webサイトの情報を補完するコンテンツとして有効とされています。
- 自社製品・サービスの紹介動画
- ケーススタディ・ハウツー動画
- 経営インタビュー・IR向け動画
自社サイトでのホスティングは負担が大きいため、YouTubeなどの外部プラットフォームにアップロードした動画を、自社サイトのコンテンツに埋め込む方法が一般的です。
IRサイトの自動更新機能
自社サイトのIR情報は、株主や投資家を主体とするステークホルダーに、自社の企業価値を伝えるうえで重要な役割を担います。ただし、IR情報の内容は多岐にわたるため、開示するごとに自社サイトに手作業で更新するのは手間がかかり、人為的ミスの原因にもなります。IR情報はステークホルダーが投資判断を行うための情報であるため、ミスや誤った情報は、企業の信頼性に影響を与えるおそれがあります。
EDINETやTDnetに提出した法定開示情報を、自動的に自社サイトのIRページに反映できるサービスを導入することで、最新のIR情報を、正確かつスムーズにステークホルダーへ届けやすくなります。
Webサイトのリニューアルは宝印刷株式会社にご相談ください

アクセス数や問い合わせ数が減った場合や、自社の戦略・ターゲットが刷新された場合は、Webサイトのリニューアルが必要になります。まずは現状の課題と目的を設定し、サイト構造やコンテンツを設計することが重要です。ただし、Webサイトのリニューアルには専門知識が必要となるため、Web制作会社への依頼も検討してみてください。
宝印刷株式会社では、企業サイトやIRサイトをはじめとするWebサイトのリニューアルを承っています。法定開示情報の自動表示連携や動画コンテンツの制作など、専門性の高い分野にも対応しており、企画から公開までをワンストップでご支援します。Webサイト制作に関するご相談やお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。