若松部長、今日もよろしくお願いいたします!
はい、よろしく。当社の新しい事業年度がこの6月から始まり、8月で第1四半期が終わりました。そこまでの報告ですね。
昨年度は売上高が前年を下回ることはなかったんだけど、今回はちょっと違うんだ。
違うというのは?
結論から言うと減収減益なのです。では詳しく説明しますね。
は、はい!
売上高は前期比2.4%減、利益は8.7%減に8.6%減、最終的な利益は8.4%減と、減収減益ですね。私が若松部長に解説いただくようになってから減収減益って初めてのことです。
そうだったね。中身を説明すると、金融商品取引法関連、会社法関連、IR関連、その他から成る当社の4つの製品区分の中で、売上高が前期比で増えたのはIR関連だけ。これは統合報告書や株主総会関連サービスの売上が増えたことが影響していますが、 ほかの3区分はすべて減収となっています。要因としては競争激化で単価が下がったり、印刷物のページ数が減ったりとさまざまですが、我々が前年を上回るような売上を取り込めなかったのは大きな反省点です。
前回、会社法関連の招集通知で、カラーの印刷や翻訳案件の需要が増えているとお聞きしました。確かに私のお客様の中でも、招集通知の英訳版を発行される企業がずいぶん多かった印象があります。でもまだ英訳版を発行していないお客様はたくさんいらっしゃいますから、私たちもご提案していきたいですね。
そうだね!なお、この第1四半期は減収減益となりましたが、第2四半期までの業績予想は当初から据え置いて増収増益としています。これは第2四半期に計上予定の売上高を合わせれば業績予想に届くと見込んでいること、昨年利益を押し下げる要因となった退職給付費用の負担が、今年は金利上昇の影響で少し軽くなることなどを見込んでいるためです。そうはいっても、売上高については引き続き積極的に拡大していかなければなりませんね。
まさに一人ひとりの頑張りにかかっているわけですね!
先ほども言ったように、最近は競争激化で製品・サービスの単価が下落傾向にあります。でもだからといって何もしなければ当社は売上が維持できなくなってしまうよね。どうしたらいいと思う?
どうしたらいいでしょう…。たとえばいまある製品・サービスの付加価値をもっと高くして、「宝印刷ならここまでやってくれるんだ」という価値を感じていただくとか。
うんうん、それはひとつのやり方だね。あとは?
あとは、うーん…。製品・サービスの数を増やして、お客様のニーズに幅広く対応することでしょうか。
そうだね。我々は企業の情報開示の支援を中心とした専門印刷会社として、これまでデザイン力やチェック力、クオリティの高い印刷機能を確かな能力として培ってきました。この能力を新たな分野に活かすことで、新しいビジネスを生み出すことも視野に入れています。
また企業の情報開示の手段は印刷物だけではなく、インターネットが主流になりつつあるのはご存じのとおりだね。当社は印刷と名のつく会社ですが、印刷物のみならず、インターネットでの情報開示のあり方もご提案できるよう、いろいろと試行錯誤しています。
この「やさしい業績報告」もインターネットでの情報開示ですもんね!
そうだね。このように我々の支援する情報開示の領域は広がっており、お客様のニーズや規模に合わせて提案できるチャンスはまだまだある。では提案を受け入れてもらうために必要不可欠なのは、お客様と当社との…?
信頼関係ですね!
正解!我々が提供している製品・サービスの付加価値を高めることでお客様の満足度が高まり、「宝印刷に任せておけば安心」という信頼につながる。信頼を得るとパートナーとしていろいろ相談される機会も増え、さらに幅広い製品・サービスを発注してもらえたり、現状の製品・サービスよりもさらに上位のものを発注してもらえたりするチャンスが生まれます。
私は知識も経験も追いついていなくて、お客様のニーズをうまく聞いて対応できているとは言い難くて…。まだまだだなあと悩んでいるんです。
お客様の窓口となる営業の仕事はニーズを察知しスピーディーに対応することが求められるからね。経験はあとからついてくるから、知識は常に入れつつ、まずはとにかく密にコミュニケーションを取って誠実に対応することを意識して頑張ってごらん。 なんだか今日は営業のレクチャーみたいになっちゃったな。
お話を伺ってあらためて気が引き締まりました。私もお客様との信頼関係を築けるよう頑張ります!
「教えて!経理部長!!やさしい業績報告」