2017年5月期の業績は・・・?
宝子さん、4月の入社から4か月経ったけど、仕事には慣れてきたかな?
右も左もわからないなか、入社早々の繁忙期がちょっと大変でした。でも、繁忙期を経験したおかげで当社の仕事が少しわかってきた気がします。
それはよかった。では、今回はいよいよ期末の業績を解説しますね。
ハイ!よろしくお願いいたします。
売上高は前期比3.3%増、利益は営業利益6.0%減、経常利益7.1%減、最終的な利益は0.2%減と、増収ながらも減益だったんですね。
そうなんです。まず、増収要因を説明しますね。
2015年にコーポレートガバナンス・コードという、企業が株主・投資家の権利や利益をきちんと確保しつつ持続的成長と企業価値向上につなげるために守るべき指針が上場企業に適用されたのですが、この中で「株主との対話」の重要性が基本原則の1つとして示されています。
当期は特に、この「株主との対話」の充実に向けて、一部の上場企業は株主への情報発信方法に配慮し、まずは株主あての開示書類を読みやすいつくりにしようという流れが起きました。たとえば株主総会の招集通知。これを白黒からカラーにして見やすくしたり、海外の株主にも配慮して翻訳したりするケースが増え、当社にとってはカラー印刷や翻訳案件の売上増加につながりました。
なるほど~。一方で減益要因は何なんだったんでしょう?
うん、当期は利益を押し下げる特殊要因があるという話を以前したのは覚えてるかな?
えーっと、何でしたっけ…? あっ、思い出しました!退職給付費用ですね!
その通り。当期はこの退職給付費用が利益を圧迫するため、その分の利益を積み増すのにかなりの労を要することが予想されていたのですが、いざふたを開けてみると、減益ではあるものの、過去最高だった前期の最終利益から2百万円程度のマイナスでした。これはほぼ前期並みの利益が確保できたと考えていいと思います。まさに一人ひとりの地道な営業努力の賜物ですね。
そうですね!ただ、退職給付費用の負担は今後も続くわけですよね?
続きます。ただし、前にも説明したように、退職給付費用は金利が低いほど膨らむ傾向にあるのですが、最近は金利上昇の影響で前年ほど大きな負担にはならない見込みです。